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出逢った頃(10) New Yorkライブ追っかけ計画-再NY旅行へ向けて

※回想「出逢った頃」シリーズ。続きです。

武道館の楽屋で増尾夫妻とお話できたのが1982年4月。
その年の7月に夏のボーナスが出た頃には私の貯金もだいぶたまったので、いよいよ秋に再びニューヨークへ行こうと計画しはじめました。

2回目になるニューヨーク旅行では今度こそ、日取りを増尾さんのライブに合わせなければ、私にとって高い旅費を払う意味がありません。何月何日にニューヨークのどこで増尾さんの生演奏が聴ける、という情報を事前に日本で得る必要がありました。しかも、そのライブの直前ではなく数週間以上前に知ることができなければ、格安航空券を入手したり仕事の休みを工面したりできません。

インターネットのホームページとかEメールがなかった当時、ライブの予定を増尾さん宅に電話で聞いていいと武道館楽屋で奥様シャーリーさんからうかがったので、図々しいけれどお言葉に甘えることにしました。といっても、いきなり国際電話してうまく話せる自信がありません(初のニューヨーク旅行で電話したときは勢いで掛けることができたけど… )。電話する前に、まずは手紙で事情を書くことにしました。秋に増尾さんのライブ演奏を聴きにニューヨークへ行きたいので、スケジュールをうかがいたく、お電話させていただきますのでよろしくお願いします、といった内容。実際にはもう少し丁寧に、自分の気持ちなどもしたためたと思います。その手紙を投函した後、届くのに十二分と思われる日数をあけてから、思い切って電話を掛けました。8月半ばのことでした。

電話の向こうの増尾さんは、私からの手紙をすでにご覧になっていたようで、「あー 」とすぐにわかってくれて、用件を伝えるのは楽でした。「今はね~、ニューヨークでやる予定ないの」 「9月にやるかもわかんないから電話してあげる。」 ひぇ~、それは申し訳ない。国際通話料金を増尾さんに負担させることになってしまう。電話を受ける側の私が通話料を負担するコレクト・コールにしてもらえばいいかな?という考えが頭をよぎったけど、節約暮らしの私は、コレクト・コール料金のほうが高いことを意識してしまいました。しかも増尾さんと話している最中なので、"いえ、コレクトで…" などと逆提案する余裕もなく、そのまま通話を終えてしまいました。ま、後日に清算またはお礼という手もあるか ... 
(※参考:当時の国際自動ダイヤル通話料金をネットで調べてみました。日→米 1980年:2430円/3分、 1982年:1830円/3分 http://www.caa.go.jp/seikatsu/koukyou/com/co02.html )

それから2週間ほどして増尾さんから電話をいただきました。9月に演るかもしれなかったのが結局なくなったとのこと。そして、また新たに決まったら郵便で教えてくださる、ということになりました。

いやはや、1回電話で話すたびにドキドキものでキンチョーするので、一大イベントです。ちなみに、ずっと後になって知ったことですが、このやりとりをしていた時期(1982年8月)、増尾さんはテナーサックスのソニー・ロリンズのバンドに再び入って仕事をされていたのです。8月7日にカナダのモントリオールで収録されたコンサートの映像が後にビデオテープやレーザーディスクやDVDで発売されて、私もDVDを持っています。

それから郵便での連絡を待ちました。これがまた私には問題だったのです。その頃住んでいた安アパートは、戸別の郵便受けがなく、大家さん気付けで受け取るしかありませんでした。まず1階に住む大家さんのところに届いて、大家のおばさんがそれを2階の各部屋まで持ってきてくれます。部屋を留守にしているとドアの隙間に挟んでくれたり、下に落ちていたりします。そして、大家さんは、ときどき郵便物を数日間溜め込むきらいがありました。そりゃ大家さんだって、ときには旅行もするでしょうしね。おかげで、コンサートの割引招待券を、コンサート当日を過ぎてから受け取った、なんてこともありました(ダイレクトメールなので、大家さんは大事じゃないと思ったのかも)。

こんな調子で、もしも増尾さんからの郵便が大家さんのところで滞留したり紛失なんてしたら困る。それだけは何としても食い止めなくては… というわけで大家さんに、アメリカから何か郵便来てませんか? 近いうちに大切な手紙がくるかもしれないのでよろしく、とお願いしておきました。

しかし、なかなか便りは来ません。1カ月ほど経ってだんだん心配になってきました。どうしよう。もしも、ライブの直前に知らせが届いたら、割安航空券と休暇の手配がうまくいかないかもしれない。ここまで図々しく増尾さんに尋ねておいて、「連絡いただいたのにニューヨークに行けない」なんてことになったら、と考えると真っ青です。いやいや、そんなこと心配してもしょうがない。とにかく待つしかない。

10月に入ってもただただ日が過ぎていきます。毎日アパートへ帰るたびに、今日は来てないかな?と気にするようになりました。最悪の場合、何かの事情で航空便が届かないなどの可能性だってあります。それに、ライブの日があまりに後ろにずれこむと、旅行のための仕事休みを取りにくくなる可能性があったのです。不安に押しつぶされそうな気分に、何度もなりました。

でも、もしも問題が発生して行けなかったら、そのときはそのときじゃないか。自分にできるだけのことをして、それでもダメなら誠意を込めて事情を話せば増尾さんはおそらく気を悪くするような人じゃない。もう運を天にまかせるようなつもりで、何とか心を保っていました。

10月も終わりの頃、大家さんが「来たわよ!」と戸口まで持ってきてくれました。
海外からのカードです!! 見たことのある文字。
でも、よく見ると ニューヨークからではありません。




なんと、


スペインにいる増尾さんから!!!!!


増尾さんは10月13日からロリンズのバンドでヨーロッパツアー中で、スペインのマドリードから絵ハガキを投函してくれたのでした。明るくフレンドリーなメッセージがあって、最後のほうに「11月30日と12月1日 7th Ave South でやる事になっています。11月20日前後にSonny RollinsのバンドでBottom Lineでもやる事になっています。

なんて 心にくい 演出 ! ......感激です

私の住所を旅先まで持っていってくださったのですね。

行ける!  ニューヨークに行ける!!

準備期間が1カ月ある。格安航空券を購入するのに十分な日数があるし、旅行する時期は仕事休みをとれるギリギリの範囲内。やった!!!!!


できることなら11月20日前後のボトムラインでのロリンズと、11月30日&12月1日の7th Ave South の両方をカバーできるように滞在期間をとりたかったものの、仕事を休める日数に限りがあり、両方は無理。しかも、ボトムラインのほうは正確に20日かどうかわからないので断念し、7th Ave South のみに照準を合わせることにしました。11月29日出発して9泊11日間の旅です。 いざ、2回目のニューヨークへ!
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Re:出逢った頃(10) New Yorkライブ追っかけ計画

いや、本当に素敵なお話ですね、このシリーズ。

当時電話は高かったですもんねー。国内でも地方と東京で気を使ったもんです。 しかし下宿暮らししながら貯金して間を置かずにニューヨークへ行くなんて。 マドリードからの絵はがきも、さぞ嬉しかったことでしょう。

私もちょうどこの頃、ポストを覗いてはため息をついたり歓喜したりした覚えがありますが、当時は思えばロマンティックでしたね。 今ならメールかあ。味気ないだろうなあ。

Re^2: 出逢った頃(10)

とつき さん、ありがとうございます。 
そうそう、電話代は国内でも長距離だとあの頃高かったですよね。しかも電話以外は手紙という連絡手段しかなくて。
待ち合わせも 携帯電話がないので伝言板とかね。 ロマンティックでしたね。

Eメール は断然便利だし、普段の連絡にはそれが一番だけれど、ちょっと味気ないかも って私も思います。
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Kaco

Author:Kaco
一番好きなミュージシャンの公式ファンサイト を趣味で編集・管理しています。東京在住。音楽と無関係の仕事と雑事にいつも追われています。猫大好きですが、飼ってはいません。上のネコちゃん写真は米国PA州にあるM邸で撮影(→詳細はこの記事)。私へのメールは、当ブログのメール送信フォーム、または上記サイトの送信フォームから。

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