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出逢った頃(5) NYに憧れて

※回想 シリーズ 出会った頃 (4) の続きです。

1980年2月の六本木PIT INNで増尾さんに「また書いてよ」なんて声をかけていただき大喜びしたものの、そのあとすぐにはファンレターを書かなかったように思います。
そりゃぁやっぱり、出すからには、ちゃんと内容のあるファンレターにしたいから ...たとえばニューアルバムが出たときにその感想を書くなどといった、何かきっかけがないとね。

ところで、増尾さんのレターの宛先住所を知ってから、その位置を地図で確認しようとしたとき、わたしは生まれて初めてマンハッタンの詳細な街路地図を見たのでした。

なにしろ「マンハッタン」という名が何を意味するのかさえも、ジャズを聴き始めてようやく知ったところだったんですから。つまり、米国ニューヨーク州の隅っこにニューヨーク市があって、そのニューヨーク市を5つに分けた行政区(ボロウ、またはバロウ)の1つがマンハッタン区だということを、です。

それまでは、ニューヨークといえばアメリカ地図に赤丸印でその位置が示されている、その程度の地理情報しか把握していませんでした。ジャズのメッカとしてのニューヨークに興味を持ってから、ようやくマンハッタンのマップも目にするようになっていったというわけです(今じゃ、インターネットで世界中のどこの町の地図も簡単に詳しく見ることができてしまって、すごく便利だけど味気ないですね)。

そんなふうに、ニューヨークのことをそれまで知らずにいたけれど、実は、ニューヨークに限らず、海外には小さい頃から漠然と憧れていたほうでした。特にアメリカなどには 行ってみたい という気持ちがありました。でも、私にとって海外は、小さい頃からほんとうに遠いところで、育った環境からすると、とてもとても行けそうにはなかったので、すっかり諦めてそれまで生きてきたわけです。

ただ、あの頃、日本の経済成長のおかげで海外旅行する日本人が徐々に増えつつあったし、自分の家庭事情も少し変わって、いつか自分に経済力がついたらひょっとして行けるのでは? なんて思える程度の状況にはなっていました。

それでですね。いったんニューヨークに興味を持ってからは、とにかく行きたくて行きたくてたまらないわけです。増尾さんがときどき出演されているという ミケルズ というお店(当時、人気グループStuffが出演していることでも有名だった)などに入ってみたいし、ジャズの老舗クラブ ヴィレッジ・バンガードやスウィート・ベイジルやボトム・ラインなどの老舗クラブにも入ってみたい。それに、もしも行くならミュージカルも観てみたい、画廊ものぞいてみたい、地下鉄にも乗ってみたい、街路を闊歩してみたい、セントラルパークやワシントンスクエアにも行ってみたい ...... 雑誌のニューヨーク紹介記事を目にしたりすると、ニューヨークへの憧れがいっそう募っていきました。四畳半ひと間の1人住まいのアパートで、ニューヨークの地図を毎日のように眺めていました。

1980年夏。はじめて手にしたささやかなボーナス5万円くらいのうち大半を、はじめての英会話教室に使いました。週に1回だったか2回だったか?朝の出勤前の時間帯のクラスに2カ月ほど通いました。それまで英語を実際に話したことが一度もなくて、東京の電車の中で見知らぬ外国人とちょっとしたやりとりがあったときに、中学1年で習う程度の英語表現さえも口から出てこず歯がゆい思いをしたことがあったから、少しは慣れておきたかったのです。

その夏の終わりに、新聞広告でニューヨーク旅行に無料招待という懸賞を目にしました。あるアメリカ映画の宣伝キャンペーンの一環です。ブロードウェイを舞台にした「オール・ザット・ジャズ」という映画だったように記憶しています。懸賞では、ちょっとした簡単なクイズが出されていて、ハガキに正解を書いて応募すると、抽選で2名がニューヨーク旅行に無料招待、数十名がニューヨーク旅行へ特別価格で優待、となっていました。無料招待に当たらなくても、ひょっとしたら優待旅行くらいは当たるかも? と思ったんです。当時、海外旅行会社最大手の売り出しているニューヨーク1週間パッケージツアーが39万8千円ほどでした。ところがその抽選に当たれば、19万8千円で行けるのです!といっても、貯金はほとんど持っていない。まあとにかく、応募してみました。どうしても当てたくて、ハガキを 何枚も 何枚も 書いて出しました。




そしたら当たったんです。

無料招待のほうじゃなく、格安優待のほう。
しかも複数当ったんです。優待ツアー参加の権利が当たったわけで、改めて申し込み要項が書いてありました。

ハハーン。無料招待でなく格安有料ツアーのほうは辞退する人もいることを予想して、多めに当選させたわけね?

いやまてよ、まさか、無料招待の当選者が実際にはひとりもおらず、単なる旅行会社の客集めなのだろうか?

とさえ、勘ぐりましたよ。

それでも、そんなに安く行けるパッケージツアーなんてほかに見当たらなかったし、個人で航空券や宿を手配するともっともっと高くつくのを知っていました。それに、当たったその優待旅行を扱う旅行業者は名の通った近畿日本ツーリストさんだというから信頼できそうとも思いました。

当時ちょうど、日本から無名の旅行会社提供の格安ツアーに参加して何かの手違いで帰国できなくなり現地に残された人たちのニュースを新聞で読んだばかりで、不安がありました。

でも、行きたいわけですよ。

貯金は全然なかったのに、申し込みました。
仕事の休みをとらせてもらえそうか、職場の上司にいちおう打診してからです。

(6) へ続きます。
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Kaco

Author:Kaco
一番好きなミュージシャンの公式ファンサイト を趣味で編集・管理しています。東京在住。音楽と無関係の仕事と雑事にいつも追われています。猫大好きですが、飼ってはいません。上のネコちゃん写真は米国PA州にあるM邸で撮影(→詳細はこの記事)。私へのメールは、当ブログのメール送信フォーム、または上記サイトの送信フォームから。

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