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出逢った頃(2) 六本木PIT IN--’78夏

(1) の続きです (ふと思い立って行ったコンサートで、サイドメンとして出演していた増尾さんを初めて知って聴いてから ...)

コンサート会場で買ったプログラム冊子には、発売されたばかりの増尾さんの『セイリング・ワンダー』の広告ページがありました。

Concert booklet 1

Concert booklet 2

 

爽やかな潮風を感じさせるような写真。アルバムには Stuff のメンバーやデイヴ・グルーシンも録音に参加、とあります(へぇ~、そうなんだ )。
さらに、同ページ下の欄外に、増尾さんのライブ情報が...7月7日と7月8日、六本木PIT INNにて「増尾好秋スーパーセッション」。2週間ほど先にあたります。行くと心に決めました。
ちょうど数日後、FMラジオで増尾さんのアルバムのタイトル曲「セイリングワンダー」がラジオでかかって、ラジカセで録音しました(当時はFMラジオ雑誌で番組表をチェックしていました)。波の音が挿入された、航海の爽快さと冒険のロマンを感じるような、大~らかでのびのびとしていて、若々しく勢いがあって、どこか都会的な洗練も感じる音 ...それまで聞いたことのない新鮮さ。ますます好きになりました。
PIT INN 2daysのどっちの日に行ったかもう覚えていないのですが、昔の自分の記録を調べてみると2日目にあたる7月8日だったことになっています。ライブハウスに入るのは初めてだったし、六本木の街で帰りが深夜になるのがちょっと心配で(うら若かったので, 笑)、知りあいに話をつけてボディガードとして同伴してもらいました。(実際に行ってみたら、帰り道まで自分一人でも全然大丈夫だったな~と思って、以来、ライブに行くときはほとんど一人です。)
入場時はすごい行列。並びながら少しずつ前へ進むと、お店の入り口そばのテーブルには『セイリング・ワンダー』のLPが高く平積みされていて、すでにサイン入り。どんどん売れていて、私も購入しました。
ライブは、期待していた通りすごく楽しかったです。それと、コンサートの2階席からはわからなかったけれど、PIT INNではじめて発見したことは、笑顔が素敵な人だな~ ということ。終演後に、握手くらいはしてもらえそう、と、勇気を振りしぼって近づいたものの、ドギマギしちゃって何をどうしゃべっていいやら分からない(苦笑) 「握手してください」と、ひとこと言うのがやっと増尾さんはニコッと微笑みながらすぐに応じてくれ、「どうもありがとう」と言ってくれました。今から思うと、もう少し何か話せばよかったのにね~(笑) けど、そのときはそれだけで精一杯。それでもう大満足でした。

帰宅してから興奮して友だちにライブのことやら握手のこと(笑)を話しました。
PIT INNで買った『セイリング・ワンダー』は、LPプレーヤーを持っていなかったので友人に頼んでカセットテープに落としてもらいました。テープを聴いて、岩浪洋三さんの書いたライナーノーツをドキドキしながら読んで、それから繰り返し聴いて...ウォークマンは持っていなかったけれど電車の中でも、頭の中で、というより体の中でアルバム『セイリング・ワンダー』が鳴っている。最初の一週間ほどはそんな感じでした。
(3)へ続く

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ライブ友 kazzさん のこと

出会ったのは1990年の初夏。
新宿のJazz Spot 「J」に行ったとき、たまたま私の隣の席だったのがkazzさんだった。当日の出演は、チンさんのバンドに増尾さんがゲスト。私の横で「く~っ、いいね~」なんて彼は言ってた。それだけだったら忘れてしまいそうなものだけれど、ほんの数日後に新宿PIT INNでまた会った。PIT INNのアニバーサリー特別セッションで、貞夫さん、増尾さん、野力さん、チンさん、寛さんというメンバー。超満員の店内でkazzさんのほうから気付いて声をかけてくれ、「あ、また来てる~!」みたいな感じで少し話した。以来、増尾さんのライブに行くとkazzさんを見かけることが多く、すっかり顔なじみ。私が増尾さんのサイトを開設してからは、kazzさんと年賀状の挨拶を交わすようになっていた。

彼は、増尾さんの中学・高校時代の同級生だそうだ(クラスは違うので当時は交流がない)。高校の学園祭で増尾さんがギターを演奏されたことがあって、それを彼は聴いている。そのときの演奏がすでに凄かったのだそうだ。1970年代には、うらやましいことに、New Yorkの増尾さん宅に泊めてもらったことが2回。それに、なんとエルビン・ジョーンズ宅へも増尾さんに連れていってもらったことがあるという。メチャクチャ うらやましい限り!

けど、だんだんわかってきたことは、kazzさんは、同級生であるというだけでそんな うらやましいことをしているわけじゃなく、心底、ミュージシャン増尾好秋のファンでもあるのだ。そして応援している。増尾さんに対してファンとして一歩下がっているようなところも感じられて(私に合わせてくれているせいもあるとは思う)、ファンの私としては立場が近いみたいで親近感アップ。彼は増尾さんのライブによく、同級生仲間や、親戚、友人などを誘って連れてくる。ライブの企画に一役買ったこともある。それに、New Yorkに「剣客商売」の単行本を何巻もドンと送り、増尾さんを池波正太郎にはまらせたのも kazzさんなのだ。私にとっては、増尾さんの最新情報をメール交換する相手でもある。私のほうがずっと若輩なんだけれど、それを全然意識させない雰囲気が、彼にはある。

 

そんなkazzさんが、

 

8月3日、旅立ってしまった。

 

KazzさんセレモニーF0221

 

ガンだった。
2006年の秋頃に見つかりその年の末に手術。いったん退院してときどき抗ガン剤治療を続けながら普段の生活を送り、ライブにも出かけていたけれど… 先月(7月)半ばから再入院していた。

 

告別式の斎場に入ると、増尾さんのCD『Life is Good』がかかっている。2階へ上がって奧へ進み、祭壇に目をやると「増尾好秋」と名の入った生花がパッと目についた。ご親族の方と少し話すことができた。病院に増尾さんが見舞いに来てくれて、けれども そのときにはもう意識不明だったという。そして増尾さんは前日の通夜に参列されたとのこと。kazzさんが増尾さんを本当に大好きだった、とも聞いた。読経が終わって、棺にお花を入れるときにもまた増尾さんの曲が流れて… サウンドを耳にするとやっぱり余計に思い出してしまう。一緒にライブを観たことを。そして前売り券を買うためにジロキチで一緒に並んだことや、増尾さんと3人でライブ終演後などに立ち話したことも…。 目の前に帰らぬ人として横たわっていることがどうにも信じられなかった。

kazzさんはすごく気さくな人で、友だちも多かったようだ。ガンだとわかった後も、たぶん、私たちに心配をかけないように、心の負担にならないようにと精一杯気遣っていたのだと思う。たとえば抗ガン剤治療のせいであまり食べられない、と話すときにも、いつもの軽い調子で明るく淡々としていた。(私としても重苦しい雰囲気にならないほうがいいんじゃないかと思い、回復してくれることだけをイメージするようにしていたけど、もう少し何かすべきだったのでは… と思ってしまう。)

 

増尾さんは、kazzさんの最初の入院を知った2007年正月の頃、毎日のようにkazzさんにメールされていた。そんなに頻繁に増尾さんがメールされるなんて普段とうてい考えられないこと、と、私もkazzさんも知っている。 さりげなく、日々のことなどを書かれていたようだけど、kazzさんを少しでも元気づけたいとの意図は明らかだった。きっとkazzさんにとって心の励みになっていたと思う。数カ月くらいして、kazzさんがなかなか一度にたくさん食べられず体力が回復しないでいることを聞いた増尾さんは、アメリカから栄養補助食品を送られたこともあった。


そんなことをあれこれ思い出して、kazzさんの愛すべき人柄をしのび、増尾さんの心優しさを改めて感じながら式場を後にした。

 

ここ数カ月の間に、増尾さんのお知り合いが立て続けに亡くなられた。私の聞き知った限りでもkazzさんを含めて4名。 増尾さんはご友人やお知り合いが多いから、こんな哀しい別れも多いのだろうな。 しかも、ツアーの真っ最中に遠方から訃報が入ることもあるわけで。弔問や弔電のことなど考えなければいけないし。増尾さんほどの立場の方は大変だろうな~ とも考えてしまった。私自身、いつ、何があるかわからない人生、毎日を大切にしなくては...

私にとって最初に出会ったライブ友であり、増尾さんのご友人であると同時に一番古くから増尾さんの音楽を愛するファンだったkazzさんの、ご冥福を心よりお祈りします。
kazzさん、楽しい想い出をありがとう

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プロフィール

Kaco

Author:Kaco
一番好きなミュージシャンの公式ファンサイト を趣味で編集・管理しています。東京在住。音楽と無関係の仕事と雑事にいつも追われています。猫大好きですが、飼ってはいません。上のネコちゃん写真は米国PA州にあるM邸で撮影(→詳細はこの記事)。私へのメールは、当ブログのメール送信フォーム、または上記サイトの送信フォームから。

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