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出会った頃(1) 1978年夏のコンサート

増尾好秋というミュージシャンの存在を私が知ってから、これを書いている2008年で30年になります。

一人でふらっとコンサートに行ったら名前も知らないギタリストがサイドメンで参加していて、聴いて一発で引かれた。それが増尾さんでした。 1978年6月24日土曜日、東京 中野サンプラザホールでのCalif. Showerコンサートでのことでした。 念のため、「名前も知らない」というのはひとえに私のリスナー歴が浅かったことによる無知・知識不足のせいです。当時とっくに「世界のマスオ」ですから。

その頃の私は、洋楽を聴いてみるようになってからまだ半年。はじめてお小遣いで買ったステレオ ラジカセ(それまではモノラル)でFMラジオの音楽番組をいろいろエアチェック(死語)するようになってから洋楽を聴き始め、4月~5月頃には興味がインストルメンタルへとシフトしたところでした。とにかくアメリカの音楽にかぶれていました。そんな頃の6月に、アメリカから人気ミュージシャンを何人も日本へ呼んでのコンサートがあるとの情報をFM雑誌だかラジオ番組だかで知りました。来日メンバーには、ハーヴィ・メイソンやチャック・レイニーなど、私の覚えたての名前が何人も並んでいたので、豪華そうだなぁ と思って出かけてみたんです。8人編成。そのなかで、増尾さんについては初めて目にする名前。「なんだ、日本人か」ぐらいに思っていました(なんと失礼な! 苦笑)。増尾さんもコンサートのためにアメリカから呼ばれた一人だったんですけどね。

 

ところが、コンサートの2曲目か3曲目くらいになってはじめて増尾さんにソロが回ってきたとき……認識逆転。えぇっ!ナニ、この人!なんだかイイ、すごくイイ!  日本人なのに!!(笑)  それからは 「もう一度あの人のソロを聴いてみたい。聴いて確かめたい。また演らないかな?」 と、コンサートの間ずっと気になっていました。メンバーが多かったので1部と2部を通して増尾さんのソロは3回だけ。でも、私にとって注目の人となるにはそれで十分でした。それに増尾さんは見た目にもカッコよかった!(ミーハーです.笑) “当日立ち見券”で2階通路から観ていた上に視力もちょっと弱かったので顔とかのディテールはよく見えなかったけど 、身のこなしや姿勢がカッコいいと思いました。背筋がスッと伸びていてるし、物腰が柔らかで、さりげなく淡々としてて洗練された動き。いやもう、何もかもカッコ良くって...(笑) 

会場で買ったプログラムにメンバー紹介文がありました。ロリンズのバンドのレギュラーだったのか!(ロリンズぐらいはその頃すでに知っていました 笑) 若いのに凄い経歴。それなのにもったいぶったところがなく、あの雰囲気。こんな素敵な人がいるんだ!...嬉しくなってしまいました。

 

当日のほかのメンバーもそれぞれに良かったし、コンサート全体もとても楽しめたんです。もしかしたら、予備知識も事前情報もなく全然注目していなかったミュージ シャンに 思いもよらず引き込まれてしまったという、その意外性も手伝って、余計に印象的だったのかもしれません。とにかく自分にとって「凄い人を見つけちゃった!と、それはそれは興奮して、心の中で小躍りしながら帰りの電車に乗ったのでした。

 

  (コンサートのプログラムがすぐに出てこなくて、ここにページ画像を挿入できず)

 

帰ってからは、ジャズもフュージョンも聞かないような友人をつかまえては、「聞いて 聞いて!」 ってなノリでその日の興奮を話しました。素晴らしいギターを弾く、カッコよくて魅力的な人を見つけた! と。 具体的にはだいたい次のような感想を話したように憶えています:
フレーズが自然! 自然といっても素朴というのではなく、洗練されてる感じ。そして、聴いてくれ、っていう押しつけがましさとか圧倒しようとする感じがまるで ない。 音量さえ ソロのときも ちょっと控えめに感じたけど、どういうわけか引き込まれる。あと、セカセカした感じがなく、日本人離れしている...

 

その1週間後の7月1日にFM番組で、私が行った日ではなく6月26日厚生年金会館における同メンバーのコンサートの模様が放送されました。私の部屋に届く電波はあまりいい状態ではないからと思い、4階建てビルの屋上にラジカセを持って行って録音しました。深夜の1時から3時まで、ひとりで屋上で録音しながら聴いていました。屋上でエアチェックしたのは、後にも先にもこのときだけです。懐かしい。そのときのカセットテープを今も持っています。

 

この時点ですでに、半分くらいは増尾さんにハマっていましたね。 自分の好きなミュージシャンがこれから増えていくであろう、その一人、という感じではあったけれど。 それにしては、ものすごく心がはずんでいた、いや、異常なはしゃぎぶり でした。

あの頃、まさか増尾さんと お近づきにならせていただけるとは考えてもみなかった。

こんなミュージシャンが存在するんだ! と知ることができて、そのときは ただそれだけで嬉しかったんです。

 

ちなみに、その記念すべき6月24日からちょうど29年後の2007年6月24日に、私は久しぶりのニューヨーク旅行で増尾さんのライブをBlue Noteで観て、同日彼のレコーディングスタジオ「The Studio」に入れてもらっています。そう思うと、なんだか不思議。

 

 「出会った頃」はシリーズで続けるつもりで (1) としています。ただし、(2) 以降は数カ月先かもしれないし、未定です。(汗)
 
→その後 つづき (2) を書きました

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

『Life is Good』 増尾好秋 featuring ラリー・ゴールディングス and レニー・ホワイト について

このアルバムについて書くのは難しい。もしかしたらあとで大幅に書き換えるかもしれません。ごく短くだったら比較的簡単に書けるんだけど、でなければ うんと長くなっちゃう。あまり長文にしたくはないんだけど。とにかく まとめにくくって...(苦笑) アルバムにたくさんの要素が詰まってるんだもの。制作期間の長さからいってもそれに伴う話だってあるしね~。...あ、この文のせいですでに長くなっちゃった(苦笑)

1998年12月にリリースされた前作『Are You Happy Now』からほぼ10年。
2008年夏に、ファンを待ちに待たせてやっと登場した新作です。(MP3は8/20発売、CDは9月に発送開始)

lifeisgood180.jpg

このアルバム、「Ready? Here we go.」という増尾さんの声で始まります。なんともカジュアルではないですか。実際、アルバム全体が、カジュアルで力みのない作品、という印象です。「ジャズはあんまり…」という人でもジャズをそれほど意識せずに聴いてしまえるでしょう。そういう親しみやすさがあります。半数以上のトラックにボーカルが入っていて、これは増尾さんのアルバムとしては初のこと (過去のアルバムは、ボーカルの入ったトラックがゼロか、多くて2曲まででした)。 増尾さんの主にフュージョンのほうに親しんできたファンの間でも、このアルバムは喜ばれているみたいですね。一方で、ジャズ通を満足させるバリバリのジャズも入っている。かなり多様なジャンルのサウンドが詰め込まれていて、へたをするとゴチャゴチャした単なる寄せ集めになりかねないところを、それなりに統一感らしきものを持たせてあるように感じます。そして1つ1つのトラックが魅力的。ジャンルを超えたスケールの大きな作品ですね。

1曲目 Life is Good については、この動画があります。

 

 

 

 

動画で一緒に散歩する愛猫ちゃん、かわいい!!
1曲目Life is Good (オリジナル) は、暖かさと明るさを感じるポップなボーカル曲。詩は、人生への愛と達観が感じられます。あるときふとできた曲だそうですが、時期はおそらく、アルバムの中身がほぼ完成していた頃でしょう。それまでにすでにアルバム2枚分に相当するほど録音がたまっていて、あとは収録曲を絞って1枚のアルバムにするだけ、くらいの時期だったはず。そんな頃に突如としてこの曲が生まれ、アルバムのタイトル曲として冠されることに決まったわけで。成り行きというのは面白いものですね?

2曲目Wet Dog (オリジナル) はワンちゃんの鳴き声が入ってユーモラス。演奏はジャズですね。 私なんぞは増尾さんのライブでこの曲を犬のボーカルなしで何度も聴いてるので、はじめてこのトラックをかけたとき 「んもう~、こんなに凝らなくてもいいのに~ (笑)」 と思いましたよ。ワン声なしで十分魅せられる演奏ではないですか。 でも、こういう遊び心も悪くないかも。きっと、制作者も、犬の声のサンプリングとか編集とかを楽しまれたに違いありません。 曲の終わりで Good dog.と言う増尾さんの声、その調子とか余韻が、まさに適切という感じで入ってますよね。

3曲目Run Away (オリジナル) は軽~いサンバ。凍える冬でも心の中で南半球の夏へ逃げれば快適! という内容の英語歌詞。ギターソロは、粒立ちが細かく美しい! いかにもブラジリアン音楽という雰囲気。

4曲目The Tree (オリジナル) は哀愁を帯びてしっとりしたボサノバ調の曲。8年前にラジオ番組で演奏されたことがあり、以来リクエストの声の多かった曲。わたしも大好き。

5曲目YOH (オリジナル) は、フリューゲルホーンやフルートが入って、エレクトリックベースのT.M.スティーブンスも参加している爽快で躍動感あふれる8ビートの曲。

...とまあ、こんな感じで、ジャズ アルバムだと意識することなく聴き進めることができると思うんですね。ところがこの5曲目YOHの演奏、途中で4ビートになるんですよ。これによって、アルバム後半のジャズのトラックに対して知らず知らずに心の準備ができるかもしれない?...なんて。 YOHではその後8ビートに戻るものの、歌のバックで奏でているギターが jazzy でかっこいい! 多数のミュージシャン(※)が参加した、豪華でちょっと凝ったトラックです。いえ、「ちょっと」どころじゃなく、これはたった1トラックに相当な労力を注ぎ込んだんじゃないでしょうか? でもそんな汗とか手垢を感じさせないですね (これは制作に壮大な期間がかかってしまったアルバム全体にも言えること)。さすが!

YOH の参加ミュージシャン: 増尾好秋(g, vo, keyb), ラリー・ゴールディングス(org), レニー・ホワイト(ds), テッド・ナッシュ(flutes), マーカス・プリンタップ(flugelhorn), マーク・ソスキン(keyb), T.M. スティーブンス(el. b), ナサニエル・タウンスレイ(ds), トニー・シントロン・ジュニア(ds), サリ・オグリ, ゲイル・オーシロ, シャーリー増尾(background vocals); ホーンアレンジ:ビル・メイズ&増尾好秋


6曲目On Greene Street (オリジナル) でようやく、このアルバムではじめてオルガントリオによる器楽演奏だけのジャズです(2曲目はワンちゃんのボーカルが入っているからね、笑. 4曲目はボッサ)。 これと、7曲目Pannonica、10曲目Another Cristmas Song が、このトリオのみによる演奏。洗練された上質のジャズ。演奏はどれも素晴らしい。

前作『Are You Happy Now』と同じオルガントリオのメンバー。もしも前作同様に本作もジャズばっかりのトラックでまとめていたら、権威あるジャズ誌に「前作を超える名盤」とでも讃えられたかもしれません。けれど、そうするとYOHRun Awayの収録をまた見送らなければならなかったわけだし。同じメンバーで同じようなアルバムを連続して出すことは、近年の増尾さんの状況からして必ずしも好ましくなかったような気がする。

7曲目Pannonica は、モダン・ジャズの巨匠セロニアス・モンク(p) 作曲の、沈んだ、もの憂さの漂う曲。こういう曲でも増尾さんのギターソロは薄闇の中に柔らかな光をきらめかせているよう。

8曲目Black Bird はビートルズの曲。シャーリーさんのボーカルがうまいっ。そしてオルガントリオによる美しくセンスのいい間奏。レニー・ホワイトの繊細なドラムスが素晴らしい。

9曲目Satisfaction は、ローリング・ストーンズの曲。ギターの弦をバチンッと強くはじいていたりして、増尾さんのブルージーなアレンジがかっこいいい! ギターはレスポールですね。ギブソン ES-175(動画に映っているギター)と比べて強靱な粘りのある弦の響きがこれにぴったり。

10曲目Another Cristmas Song (オリジナル) については上でもちょっと触れました。ミディアムテンポの明るい曲で、増尾さんのギターが気持ちよく歌っています。

11曲目ゴンドラの唄。よく知られた日本の叙情歌。2004年の来日のときからだったかな?ライブでときどき増尾さんが歌っています。Gil Goldsteinの付けたコードで演奏されているそうです。

各トラックを順番に見てきたわけですが、冒頭からとても入りやすい。そして、かなり多様多彩なトラックが収録されているわりには、それほど違和感なくアルバムの最後までいっきに聴けるんじゃないかと思います。ジャズといっても とんがった演奏は収録されていないので(それを入れたらさすがにアルバムとしてまとまらないかも)。わたしなんかは、聴いてるうちに音楽のジャンルの境界線というものが脳味噌の中で溶けてきそうなそうな感覚を覚えました。これが Masuoマジック。いろんなジャンルの曲を単に書ける、演奏しこなす、というのではなく、それぞれに魅力的。こういうアルバム、増尾さんならでは、だと思う。


現在の増尾さんの音楽性の、全体ではないものの かなり多くの部分を、1枚のアルバムでザッと見渡せる、そんな作品になったんじゃないでしょうか。ちょうど、100%ギターリストとして再出発する増尾さんの挨拶状みたいなものですね? 20年間所有していたレコーディングスタジオ The Studio を閉じて、Sunshine Ave. レーベルを設立して、ギターリストとして第一線に戻ってきた、そんな節目にぴったり! できるだけ多くの人に聴いてほしいです。
もう一つ重要なポイント。音質がものすごくいいです! ギターの音色が美しいし、楽器のバランスとかも…。増尾さんのスタジオの設備や、エンジニアのエイジさんの腕によるところも大きいでしょう。これも増尾さんの長年の蓄積があったからこそですよね。

 

Sunshine Ave. Labelサイト http://www.masuomusic.com/ で試聴、購入できます。

CD1枚15ドル、送料5ドル。 円高ドル安の今は超お得! (たぶん、まだ特典のカードが付いてくるんじゃないかな?)

お支払いはクレジットカード Visa、Master、Amex、Discover のいずれかで。

 

※支払方法などの都合で レーベルのサイトで注文できない方は、レーベルサイトで直接ご注文するより少し高くなりますが、銀行振込みで 増尾好秋Webサイト管理人経由でご購入できます。購入案内ページ(携帯対応) を見てください。

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プロフィール

Kaco

Author:Kaco
一番好きなミュージシャンの公式ファンサイト を趣味で編集・管理しています。東京在住。音楽と無関係の仕事と雑事にいつも追われています。猫大好きですが、飼ってはいません。上のネコちゃん写真は米国PA州にあるM邸で撮影(→詳細はこの記事)。私へのメールは、当ブログのメール送信フォーム、または上記サイトの送信フォームから。

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